100年前のデザイン

2018,02,06 | Introduction, エトセトラ…, 内装:Secession

Laurel

アルテリーベで使用しているカトラリーのご紹介です。
その名も月桂樹。アルテリーベの店内には柱やドアガラス、ステンドグラスにもウィーンの分離派の影響を取り入れた月桂樹が咲いていますが、カトラリーの月桂樹は、燕三条で100年以上前にデザインされた月桂樹です。時代を超越したデザインは、今でも熟練の職人が一本一本手仕事で仕上げています。銀食器ならではの輝きがそこにはあります。創業当時から使用しているので、再メッキをしていますがそこに歴史の重みを感じます。
ウィーンでは、ちょうど100年前くらいに分離派のオット・ワグナーやクリムトが活躍していて、ウィーンの分離派美術館を作ったヨゼフマリア・オールブリッヒが月桂樹をモチーフにした建物を作っていました。同じ時代に地球の反対側で月桂樹をモチーフにしてデザインをしていたのは興味深い話です。
どちらも100年前のデザインですが、年を重ねるごとに味わいを増しています。ワインと同じで愛着をもってデザインに接していると深みが増してくるようです。今度いらしたときは月桂樹のデザインもご覧ください。4本の柱と、部屋内の二重ドアのガラス、キッチンのドアのステンドグラス、そしてカトラリーです。

Secession 黄金の月桂樹

2016,02,19 | 内装:Secession

アルテリーベの柱に描かれた黄金の月桂樹は、ウィーンの分離派をモチーフにしています。さらに詳しく述べると、ヨゼフ マリア オルブリッヒという分離派の建築家が建てたウィーンの分離派美術館の模様を使用しています。クリムト共にこの芸術運動をウィーンで推し進めた偉大な芸術家です。この月桂樹の模様は、建物の外壁と屋上の金の球体に使用され、当時ウィーンでは前衛的で奇抜だと思われ、「金のキャベツ」と言われたそうです。
アルテリーベでは、その月桂樹の模様をコーナーの入口の磨りガラスにも使っています。

_DSC9161x実はアルテリーベを作った時に月桂樹で仕掛けを考えました。
磨りガラスの月桂樹の間に柱の月桂樹を重ね合わせ、月桂樹が繁っているようにみせようと思い、コーナーの入り口から入ると磨りガラスの模様と柱の模様がきれいに重なって見えます。そしてその裏のキッチンの窓ガラスには、月桂樹の手作りのステンドグラスを組み込んでいます。(誰も気づいていないかもしれませんが…)オルブリッヒさんが蘇ったらこんな風にデザインを考えるのではないかという思いで作り上げたオマージュです。

コーナーの入り口はランチタイムに使用しているので、今度是非月桂樹に注目してみてください!

ステンドグラス Golden Laurel leaves

2015,04,08 | エトセトラ…, 内装:Secession

ステンドグラス工房より久々のお知らせです。
厨房の扉に取り付けるステンドグラスのガラスを切って鉛線を巻く作業が漸く終わりました。11058793_10153717583815299_6450827954913361085_n

今回のモチーフは、オーストリアの分離派美術館を覆っている金の月桂樹です。ヨゼフマリアオルブリッヒという分離派に所属した芸術家が作った作品ですが、その金の月桂樹は分離派の象徴的な作品です。アルテリーベのリニューアル時から柱と窓の摺ガラスに月桂樹のモチーフを使っていますが、昼のコーナーの入口から入ると丁度摺ガラスの模様の間に柱の月桂樹が重なって見えるようにデザインしてあります。
今回のステンドグラスは奥のキッチンのドアにつける予定です。小さい窓ですが、雰囲気がより良くなるように願ってます。

ステンドグラス

2011,07,28 | エトセトラ…, 内装:Secession

バラのステンドグラスですがようやくはめ込みました。ステンドグラスサプライの石川先生にも大変お世話になり、やっとここまで来れました。stained glass

100年ほど前に日本政府から派遣されてドイツに行きドイツのステンドグラス工法を学び日本に持ってきた宇野沢さんという方がいらっしゃいます。彼は、ドイツでガラスに鉛線を巻いて半田をし、パテで隙間を埋めていく伝統的なステンドグラスの工法を学び、帰国後自ら作った宇野沢工房で数々の作品を作ったそうです。国会議事堂や横浜開港記念会館、箱根宮下の富士屋ホテル、ジョサイヤコンドルが作ったクラシックな洋館などにも残っています。タイタニック号や横浜の氷川丸といった豪華客船にもステンドグラスはよく使われていましたね。

今回私が製作したものは、デザインも100年前のアールヌヴォーを意識しました。

棘を連想させるクラックの入った薄い肌色のガラスをバラのバックにして、枠の色は室内と同調させて薄い茶色。バラの位置は全体的な図柄の中に当てはまっているのですが、花びらや葉は、動きを強調させて枠を超えてはみ出しているところがポイントでしょうか?

三井物産ビルも今年で100周年。この日本で初の鉄筋コンクリートビルの建築家も当時のデザインをかなり意識したようです。
歴史的なタイミングでこの建物に花を添えられてうれしいです。

Four roses in bloom! 四輪のバラが咲きました。

2011,02,10 | エトセトラ…, 内装:Secession

新しい控室ドアのステンドグラスを作っています。昨年度に終える予定だったバラのステンドグラス、ようやく薔薇の形が完成しました。

roseアールヌヴォーを強く意識しております。マッキントッシュやユーゲントシュティルのバラたちと相当長い間にらめっこしました。ステンドグラスは、Saint Just社(フランス)やLamberts社(ドイツ)のアンティークガラスを主に使用しています。
九品仏のステンドグラスサプライでは、石川先生を始め、皆様に本当にお世話になっております。
ガラス選びの際にも色々とアドバイスをいただき、初心者ながら、ガラスに少しずつ目が肥えてきました。アンティークガラスは、微妙な濃淡があり、そこが非常に美しいです。

三井物産ビルも今年でなんと100年!

絹貿易が盛んだった100年前は、横浜は東京よりも三井物産の本拠地でしかも、これを取り付ける部屋は元支店長室だったそうです。取り付けが待ち遠しいです。といいつつも、来週はフランスに行くので一週間お休みです。

スタッフからも「オーナー、ステンドグラスの完成予定は?」と聞かれ、「桜が咲くころかな?枯れる頃かな?」とお茶を濁しています。
完成したらブログでお見せしますよ!
お楽しみに。