Four roses フォア ローゼズ

2010,11,13 | 内装:Secession

Four roses といっても、ウィスキーではありません。

アルテリーベでは、今新しい控室を作ってます。
アルテリーベのある旧商工奨励館の隣の三井物産ビルの2階です。
三井物産ビルも築99年の歴史ある建物で関東大震災にも耐えた建物です。
その建物に相応しいデザインということで、今回はステンドグラスにこだわって製作することにいたしました。もちろん、先日訪れたフランスのランスのドゥモワゼルの館や、ユーゲントシュティルのデザインやマッキントッシュのバラからもインスピレーションを得ています。
実は当初は、購入したものをはめ込む予定だったのですが、見に行ったものがあまりにも安っぽく、またアンティークショップのものは逆に古すぎて建物の時代と雰囲気が合わず、自分で作ってみたほうがいいものができるのではないかと、もしかしたら新しいアールヌヴォーの世界が広げれるのではないかと、ちょっと大きく出てみました。
先月から九品仏にあるステンドグラス工房に毎週通い、コツコツとステンドグラスを作っています。ここで初めてステンドグラス作りを習ったのですが、学生時代の美術の時間に舞い戻ったようで、思った以上に楽しいのです。先生も通われている方たちもヨーロッパ好きで芸術に非常に詳しく、意気投合してしまいました!

stained glass“Les belles roses ont des épines! “美しいバラには、棘もあります!ご用心を…

完成後はこちらを控室入口の扉に取り付ける予定です。
進捗状況をブログやツイッターでお知らせしていこうと思います!
(今年中を目標に…)

日比生

Secession アダムとイブの物語

2010,03,07 | 内装:Secession

アルテリーベのシャンデリアは、ウィーンのロブマイヤーツァーンというところでオリジナル製作されたものです。chandelier
シャンデリアは禁じられた果実をモチーフにし、ランプの一つ一つが林檎のように丸い形をしています。
アルテリーベでは、アダムとイブのようなカップルが現われ、禁じられた果実を手にして、二人の絆を固くしていくという物語から始まります。
そう、ここは美食と音楽の楽園です。天井からは禁じられた果実がたわわに実り、蔦にはその果実をイブに進めた蛇まで潜んでいるのです。(蛇はシャンデリアについているアルテリーベの隠れアイテムです。見つけられた人は、幸運が訪れる!?)
食卓には、数々のお料理が手を替え品を替え、次々と運ばれてきます。異国の音楽家たちが奏でる演奏を聴きながら、葡萄酒と食事を愉しみ、恋を語らい、愛を育むのは、ブログを読んでいる貴方かもしれません。

さあ今宵はどんなカップルが愛を語り合うのでしょうね♡

 

(蛇足かもしれませんが、上記の理由によりWCがアダムとイブの部屋になっています。)

日比生

Décor 布団張り

2010,02,25 | 内装:Secession

_DSC5285のコピーアルテリーベの壁面の織物はヨーロッパの伝統的工法を用いて張られています。
布団張りや緞子張りといった工法で、実はシェーンブルン宮殿やヴェルサイユ宮殿などと同じ張り方です。日本では国会議事堂も同じような張り方をしています。

どのような工法かと言うと、壁面全体に木枠を作り、綿ネルを張って下地を施し、その上に仕上げの織物を上下左右に鋲留して壁面全体に張ります。下地に綿が入っているので、壁を触るとフカフカしています。音の反射も適度に緩和され、室内音楽を愉しむためには最適な環境になります。
アルテリーベの見えないこだわりの一つです。

Secession 分離派について

2010,01,10 | 内装:Secession

アルテリーベの室内装飾のスタイルを厳密にいうと、「ユーゲントシュティル」(独)の分離派のスタイルです。「ユーゲントシュティル」とはドイツ語のアールヌヴォーを指します。フランスの博覧会(1900)を機に新しい芸術をという運動が各地で起こり、ウィーンでは、グスタフクリムト(絵画)やオットーワグナー(建築)、ヨゼフホフマン(家具デザイン)が中心になって既存の閉鎖的な芸術協会とは別に発表の場を求めて結成した運動の総称です。

私はオットーワグナーの弟子のヨゼフ マリア オルブリッヒの建物や作品が特に好きで、この方の建物はオーストリア、ドイツほぼ全て見に行き、アルテリーベの室内装飾に彼の特徴を使わせていただきました。アルテリーベの支柱の柱に刻まれた月桂樹の葉の模様は、彼の設計の分離派会館の模様が由来です。   Secession

1908年に40歳という若さで亡くなっているのが非常に悔やまれます。

日比生